[PR]2010生年月日で占い鑑定:初回無料!プロの占い師が鑑定
TOPメニュー>超短編小説>白い星々の剣
白い星々の剣
天を見上げれば、落ちてきそうなほど迫った空があった。無数の星がきらめき、今にも音をたてて落ちてきそうな圧迫感。
彼は白い息をはきながら、空を見つめていた。静かに、涙を流しながら。
「ユークリッヒ……」
静かに呟き、胸元で手を組み合わせた。皮製のグローブがググッとにぶい音をたてる。
ひと時もおなじ姿を見せない星々。そのどこかに、彼はいるのかもしれない。そう思うと、零れる涙をとめることはできなかった。
雪をかぶった森。木々がつくりだした広場にたたずむ彼は、静かに信ずる神へと言葉をなげかけた。
耳が痛くなるほど語りかけてくる、雪に包まれた森の静寂。
彼は祈りを終えると、毛皮のそででほおを拭った。冷えた毛皮が痛かった。
闇の中に浮かぶ、折れた剣の墓標とむかいあう。
「おまえは、勇敢な戦士だった。数多の星に引けを取らぬほど、勇敢な……」
胸元に手をあて、彼は今一度、天を仰いだ。ちいさな煌きが、ひとすじ、零れおちた。
ザッと雪を踏みしめ、彼は広場を後にした。
あとに残された剣が、かすかに輝いた。雪がつもり白く緑な森の静寂を帯びて、星々を見つめる剣。
天空をすべるように流れる星が、そっと折れた剣を祝福した。
――あとがき
空を見上げたら、星が奇麗でした。クリスマスで車が少なく、寒く、空が澄んでいたからでしょうか。星が……本当に奇麗でした。
てことで、楓です。
何か書けそうな気がしたので、物語のラストっぽいのを書いてみました。本当に突発的に書いたので、風景を思い浮かべてもらえればいいかな、程度の内容です。
因みに、今回のものはかつてないほどの短さです。原稿用紙一枚半! 構想練りはじめてから書き終わるまでに、一時間もかかっていません。
まあ、ショートくらいの長さのも書かなくちゃ……とは思っているんですけどね。
では、また近いうちに。
2005年12月25日 桜月楓
超短編小説
TOPメニュー