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灰色の雪景色
もう、彼を止める気力もなかった。だって、薄々気付いていたから。
「元気でやれよ」
「…………」
彼の姿が教室から消えてから私はポツリと呟いた。
「多分…ダメです」
そう言っても、彼の元へは届かない。もう、私の元を離れたから。
窓から校舎を見下ろすと、彼がカサを差して校庭に出てくるところだった。彼が今まで使ってくれていた、私があげたカサじゃない。それを見て、涙が溢れてきた。
何がいけなかったんだろう。私じゃ…もうダメだったのかな?
そっと席を立ち、教室を後にする。彼が振り返っても、もう私はそこにいない。私も彼の姿をもう見られない。
何も考えずに、静かな校舎を歩く。何度もブレザーの袖で目を擦りながら。
窓に越しに見える世界は灰色に薄汚れていた。黒でも白でも透明でもない世界。
気が付けば雨は雪になっていた。教室から出て、そんなに時間は経っていない。こんな短時間でも、雨から雪に変わるものなんだ。
窓枠に触れ、静かに外を見つめる。たぶん雪は積もらないけれど――雨に溶けて直ぐ消えるかもしれないけれど、それでも雨より雪の方が良かった。
雨が降っていると、余計に感傷的になってしまうから。
窓ガラスが息で白く曇る。それをそっと手で拭くと、今までより自分の顔がはっきりと窓に映った。
もう頬は濡れていなかった。目は赤くはれている…かどうかまでは、窓ガラスじゃ分からない。でも、きっと――。
もう一度目を擦り、窓越しに自分を見る。
彼の見えない私がここにいる。そう言えば泣くのなんてどれくらい振りだろう。
――あれから私は強くなれたかな。
もう終わった事と簡単に切り捨てる事はできないけど、あの時がなかったら今日の私はいない。
「うん」
あの時の私は今よりもっと強くて弱かった。今まで私は彼に頼りすぎてたんだ。
大きく頬を叩き、無理やり笑顔を作って見せた。窓ガラスに映る私は、引き攣ったような…苦しまぎれの笑みを浮べている。
明日はもっといい笑顔を作ろう。他人が見たら見惚れてしまうような、笑顔をいつか作ろう。
かばんを取りに戻り、それから校舎を後にした。
地面にうっすらと積もった雪を見ながら私は家路にいついた。
明日の朝には白銀の世界が広がっている事を願いながら。
――あとがき
今回のテーマは、知り合いから頂いた「処分」でした。
テーマどおりに出来ていないような気がしますが、きっと大丈夫。処分なんて言っても、一概にどれが処分って言えないですしね?
実は今回、最初は「処分」って事で、暗殺者さんの話を書こうと思いました。でも、なぜかこんな話になっています。不思議だなぁー(ォィォィ
突然話し変わって、最近分かってきた事。
ファンタジーって難しい。私の今の実力じゃ、ファンタジーなんて書けないな。とか思っています。
ファンタジーが一番好きなんですけどね。ネタとかは自分なりにいいと思っても、それを文章にする力がないことにやっと気付き始めました。遅すぎですね。
ファンタジー以外はどうかと言えば、結局はどちらも下手だって自分でも思います。
ということで、無理なく書きやすいのはと考えた結果……現代の何かを題材にするのがいいかな? という結論に達しました。しばらくファンタジー以外をメインに書くと思います。
次に、私の文章の特徴。
説明っぽい文章が多すぎるかな。それと、会話が入るところは会話ばかり、会話が入らないところは完全に会話が入らない。そう思うんですけど、どうですかね?
これも読みにくい原因かな。
まだまだ精進しないといけませんね。
2004年7月24日 桜月楓
超短編小説
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